テレビ画面に映る豪華クルーズ船。一瞬何事かと思ったら、新型コロナウィルス感染者が乗船していたため全乗船者3700人の検疫を行っているとのことである。そして2月5日には、その後14日間客室に滞在しなければならないことが分かった。乗船しているのは高齢者が多いと言うことは予想できる。サラリーマンがリタイアしてすぐに思い浮かぶのが豪華クルーズ船で(これまで苦労をかけた妻を伴って)世界一周すること、である。でもその額は半端なく大きい。だから次に考えるのが世界一周とまではいかなくともアジア、あるいは国内ならと思うのはよくわかる。そんなちょっとした贅沢を楽しんだはずが、最後にこのようなトラブルに巻き込まれるなんて、本当に気の毒である。
新型コロナウィルスの怖いところは、症状が出ていなくとも感染していれば他の人に感染させる可能性があるということである。症状が出ていないということは自分では気づかないということであり、普段通り仕事に行き、家族と過ごし、イベントに参加しているということである。となれば、ある程度の過密地域(都市)に住んでいる、あるいはそこで働いている人は全て感染している可能性があると言うことではないか。私自身は一人暮らしだしフルタイムの勤務はしていないが、いつも自宅のリビングでテレビを観ているわけではない。1月20日から2週間の行動を振り返れば、会合に出席したのが2回、自治会の餅つき大会、家族と新年のパーティ、飲み会を1回ずつ、長距離の電車移動を9回はしている。
実は、私はインフルエンザに罹ったことが無い。私だけではなく、亡き夫、中年になった子供たちも同様である。ちなみに、20歳過ぎてから熱を出したこともない。鼻風邪やちょっとした咳は時々あるが、ル○を3錠飲めばたちまち治ってしまう。これを私は、「我々家族は免疫力が高いせいだ」と信じていた。感染していても発症しないうちに体が撃退しているのだと思っていた。でも、新型コロナウィルスは発症していなくとも感染する可能性がある。自分が大丈夫ならそれでよいというわけにはいかない。今までとは違った対策を立てなければならない。まずはマスクを探す。普段は使うことが無いので買ってはいなかったが、健保からの貰い物をいくつか見つけた。同様に手指の消毒薬も玄関に置いた。除菌ハンドソープの予備も用意した。毎日食べている納豆は切らさないようにしよう。普通の人がやっていることだろうが、私にしてみれば行動を変えることになる。でも効果のほどは期待できない。なぜなら、ニュースを観ても、新聞を読んでも、新型コロナウィルスの実態は殆ど分からないのだから。
思い起こせば10年ほど前、企業でBCP(事業継続計画)を立てることが進められ、コンティンジェンシープラン作成プロジェクトなるものに参加したことがある。その時点で想定していたのはSARSだった。その直後に東日本大震災が起き、自然災害の方が対策の中心となってウィルス対策は二の次になった感がある。災害は忘れた頃にやってくる。
結局のところ、パニックにならないよう落ち着いてベーシックな対策をとり、免疫力を高め、罹ってしまったらできるだけ軽く済むように体力をつけるしかないのではないか。
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所長:石田厚子 技術士(情報工学部門)博士(工学)
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冷静に今まで通りの行動を続けるべきか
2020.02.09