オリンピックの話ではない。毎年、猛暑の時期に遭遇する「電子機器の不具合との戦い」である。この数年は恒例行事のようになっていた。このコラムで何度も取り上げたパソコンの熱暴走は完全に私の負けだった。OSを入れ替えて動いたけれど仕事に使うには不便なパソコンが物置に積み上がり、毎年のように新しいものを購入せざるを得なくなっていた。ただ、一昨年からは熱対策を重ねてきたためそれは一段落している。
一方、電子家電との戦いは続いている。数年前には、何もしないのにレンジフードのランプが(電子音とともに)点灯/消灯とくりかえす状態が続き、ノイローゼになりかかった。結局は原因も対策も分からないままに使わない時に電源を切るようにして数か月、いつの間にか解決していた。入れ替わるように電子レンジが壊れてしまった。
この夏は、テレビが突然真っ黒になる事態となった。画面が暗くなる現象は時々見られたが、すぐに回復していたのであまり気にしていなかった。15年位使っているものなので不具合もしかたがない。ところが、今回はちょっと違った。暗くなる段階に止まらず、真っ黒(何も見えない)が一日中続くことになってしまった。音だけ聞こえるので朝ドラはつけていたが、私自身の聴力が低下しているからか想像力では埋められなくなっている。
新しいものに買い替える、という選択肢はすぐに思いつくものだが、私の中にはもう一つの声がある。大画面のテレビが来たら、テレビ漬けになってしまわないだろうか。今でもパソコン漬けではないか、とも思うが、こちらは能動的に情報の出し入れをしているので違うだろう。それなら、小型のテレビを購入して、パソコンのサブディスプレーとして使ったらどうだろう。一石二鳥ではないか。しかし、「また新しい電子機器を増やすのか」との声も一方で聞こえてくる。物を増やさず代替手段を考えるのが信条ではなかったのか。現在も電子レンジはないが、代替手段として魚焼きグリルとオーブントースターと鍋があるので問題はない。そもそもテレビは私にとっては暇つぶしでしかなく、エアコンと違って命に係わる問題ではない。情報収集ならパソコン、スマホで十分である。テレビは買わないと決めた。
この間には「電子機器あるある」現象が起きていた。まるで人の心を読んでいるかのように、動きだすことである。小型テレビでも買おうかと調べはじめたとき、突然テレビが映るようになった。しかも、朝ドラの時間を狙ったかのように。ところが、テレビを買わないと決めたとたんに真っ黒な画面に戻ってしまった。結局、NHKプラスを登録し、スマホにテレビ番組が観られる無料アプリをダウンロードすることで決着をつけた。テレビを見る時間がパソコンとスマホを使う時間に置き換わったということである。あとは、この黒いバカでかい物体をどうするかが問題である。
温暖化がこれからも続き、夏はますます長く、暑くなることだろう。家中にある電子機器の不思議現象が頻発するのではないか。夜中に、何もしないのに突然電気がついたり、エアコンが動き出したり、テレビ(の音だけ)がついたり、パソコンが起動したりしたらどうしよう。これはホラーである。猛暑対策にホラーなんて冗談ではない。
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所長:石田厚子 技術士(情報工学部門)博士(工学)
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猛暑の攻防戦
2024.8.11