私にとってお金がかかるものはすべて贅沢に見える。食料品はすべて、数年前と比べれば贅沢品である。でも、生きていくためには食べる必要があり買わざるを得ない。ただし、同じ「食」でも手が出ないと避けているものはある。外食、フルーツやスイーツなどである。誰もが日常的に高価なフルーツやスイーツを買って食べているわけではあるまい。殆どが、頑張った自分へのご褒美だったり、久しぶりに会った友人との思い出作りだったり、特別な時に違いない。残念ながら、私にはそのような機会はごく少ない。
一方で、出費を減らす努力はかなりしている。この数年の間に、自宅の固定電話と光通信を解約した。ネットはモバイルWi-Fiを使っている。スマホは格安で、通信費をかなり低く抑えている。光熱費は一人暮らしにしてはかなり少ない。最近は晩酌をすることも殆ど無くなった。定期購読の雑誌は殆ど全て解約した。サブスクリプションなるものは一切していない。幸い健康なので、薬もサプリメントも飲んでいない。通院もしていない。
旅行は好きだが、こちらも「大人の休日クラブ」で3割引の切符を買い、ビジネスホテルに泊まっている。一人旅なので、レストランや酒場などに行くつもりもなく、コンビニで買った海苔巻きやおつまみ類と缶チューハイをホテルの部屋に持ち込んで楽しんでいる。豪華客船で世界一周旅行などとんでもない。
ところで、最近こんな記事を読んだ。複数家族のいる家庭では外食費がコロナ前に戻っているのに、(私のような)単身者の家庭では戻っていないというのだ。やはりそうか。私でも子供たち、孫たちが来ればスイーツを買うし、外食もする。知人に誘われる会食にはできる限り参加したいと思う。結局、贅沢は他人とのコミュニケーションに密接に結びついているのだ。楽しむだけでなく、つきあう、見栄を張るなども関係している。一人暮らしの高齢者が、最も贅沢からほど遠い存在なのかもしれない。
こんな私だが、なぜか毎月の出費を見ると思いのほか多い。何に使っているか調べてみた。それらは、生きていくために必要な3つの贅沢だった。
一つは、自分の身の安全を確保するためのセキュリティサービスである。24時間見守ってもらうことによって、最近多い「高齢者を狙った」詐欺や強盗に遭遇する機会はかなり減っている。過去に経験したのだが、突然の体調不良で自力で救急車を呼んで病院に行き、入院、手術、といった心配もかなり軽減されている。これがどれほどストレス軽減に役立っているか、想像するに難くない。その分、費用は嵩む。
もう一つは、勉強のための費用である。多言語学習を始めて3年になるが、それに関連した教材の購入や、活動の費用はかなり多い。それでも、多世代の人との交流の場が得られ、頭も体も使うので、認知症予防にこれ以上の効果のあるものはないと思っている。関連して、ビジネス書も、できるだけ原書(英語版)で読むようにしている。
最後は「歯科」である。3か月ごとに検診を受けている。その合間にも義歯の調整は怠らない。食べることは生きることなのだ。そのためにも歯を大切にしたい。
自分の信念に従って行動する「高い志を持つ、市場価値の高い技術者」を育成します。
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コンサルティングと研修のサービスを提供します。
所長:石田厚子 技術士(情報工学部門)博士(工学)

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贅沢は人それぞれ
2025.5.11