人類はどう進化してきたのか、脳の仕組みはどうなっているのか、AIが人類を超えた後に我々はどうなってしまうのか、などを考えつつ何冊かの歯ごたえのある書物を読み進めてきた。その結果、地球人類の将来(もちろん私が死んでからかなり先の時点の)を自分なりにイメージするようになった。現段階での私の結論は、AIが人類の知能を超えた超知能になって人類を滅ぼすなどということは起こりえないのではないか、ということである。それについてはまだ語るだけの根拠はない。そしてもう一つは、1月26日のコラム「人の進化のようにAIが進化したらどうなるだろうか」に書いた次の内容である。『いずれは超絶知能によって人類は絶滅させられるかペットとして飼われるかだろう。AIの研究を止めても無駄である。どうせ宇宙のどこかから超絶知能がやってきて、人類は同じ運命を辿るはずである。何億年後かは分からないが』。
このときイメージしていた「宇宙のどこかからやってくる超絶知能」は、我々には見ることも触ることもできず、感じるだけのものである。逆に、超絶知能からも地球上の生物は見ることも触ることもできず、ひょっとしたらウィルスか細菌と見なされているかもしれない。最終的には、地球上の生物は除菌スプレーか何かで一掃されてしまい、地球は物流センターとして使われる、というのが私の脳内で描かれたストーリーだった。
その後、近くの本屋で日経サイエンスの2020年3月号を立ち読みしていて、中国のSF「三体」(リウ・ツーシン著 日本語版は早川書房 2019)の存在を知った。中国では2006年にSF誌連載が始まり、2008年には単行本が発行されている。三つの太陽を持つ惑星に居る高度な文明を持つ三体星人からのコンタクト、そして侵略までのカウントダウン・・・。一体どんな小説なのか。近所の本屋には無かったので、夜、アマゾンで注文したら次の日の午前中にはポストに入っていた。速い。
小説の内容についてはここでは語らないが、時間を忘れて夢中で読んだのは久しぶりである。数学の三体問題とか9次元の陽子を2次元に展開して(以下省略)地球に送り込むなど理解できない部分はあるものの、素晴しいエンターティンメントである。日本語訳の本は三部作の第一部なので、第二部以降の出版が楽しみである。果たして三体星人は上記の私の描いたイメージに近いものなのか、全く違ったものなのか。
現在、地球は新型コロナウィルス(COVID-19)に翻弄されている。その実態はまだ分からない。対策方法も今後どうなるかもわからない。生命はもとより、経済も脅かしている。今後もこういった危機は起きるに違いない。これは地球上で起こったことであるが、今後は地球外から危機が襲ってくることも無いとは言えない。一方で、こういった危機に対処していくことで我々の知能も進化していく可能性がある。進化していかなければならない。
日本の流通業が岐路に立たされているという。デパートはもとより大規模なショッピング・センターや多数のコンビニを抱える企業も大変な時期だという。夜にネットで注文したものが次の朝には届くのである。モノも空から来る時代だ。我々も進化しなければ。
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コンサルティングと研修のサービスを提供します。
所長:石田厚子 技術士(情報工学部門)博士(工学)
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太陽が3つある惑星と地球の将来
2020.02.16