仕事でもプライベートでもスマートフォンは絶対に欠かせないアイテムになっている。長距離通勤なので、ネット検索、学生のレポートチェック、大学や技術士事務所宛のメールチェックなどがこなせるのは有難い。私は5年近く前に購入したiPhone 5を使い続けてきた。古い機種ではあるが、現在の使い方をする限りでは全く問題なく働いている。だから、周りが勧めても上位機種に変えるつもりはなかった。
ここ数年、「料金払いすぎていませんか」「無駄なお金を使っていませんか」「まとめませんか」「乗換えませんか」の誘いが各方面から矢のように降ってくるようになった。改めて支払い記録を見てみると、インフラ関係に払っている金額は馬鹿にならないくらい大きい。特に、電話、ネット、携帯電話といった通信関係は、契約時のことを1年も経てばすっかり忘れてしまうので、「何でこんなに高いのか」とびっくりする。スマートフォンも、機種代金を払い終わった頃に様々なキャンペーンも終わるので、支払う金額はむしろ上がっているようにも思えるのだが、面倒臭くて調べようともせずにそのままにしていた。
2年近く前、電話でのセールスに乗せられて、1年の間に「Xひかり」⇒「Yひかり」⇒「Xひかり」と2回の乗換え(結局元に戻る)をするはめになった。結果として、料金はそれほど変わらなかったもののルーターなどの機器が新しくなり、違約金などの費用も取り戻したので残念な結果にはならなかった。しかし、煩雑な手続きが続き、カレンダーとにらめっこの日々であった。それがトラウマになっていたのか、携帯電話の乗換えの誘いや宣伝には目をつぶって情報を遮断していた。さらに、携帯電話の料金が高いと薄々感じていても、これは必要な費用なのだと自分の行動を正当化し、視野狭窄に陥っていた。
結論から言うと、20年間お世話になった通信会社から格安スマホに乗り換えた。機種もiPhone SEになった。月々の支払料金は、機種の代金を含めてもこれまでの半額近くに減った。違約金や手続きに伴うのに必要な金額は、数か月で取り戻せる。スマートフォンの使い勝手は、当然ながら5年前の機種よりも非常に良い。
なぜ、頑なに古いスマートフォンを握りしめていた私が心変わりしたのだろうか。それは、携帯電話会社からの「乗換えませんか」のダイレクトメールがきっかけである。すぐにゴミ箱に捨てるはずが、何となくテーブルに乗せたままにしていた。目に入ると何となく気になる。読んでも意味がよくわからないので、ネットで調べてみた。格安スマホについてかなり曖昧な知識しかなかったことに気づいた。さらに、これまでの通信会社での料金体系は変えられないことも分かった。つまり、調べることを怠っていたために高い料金を払い続けていたというわけである。
我々は、自分の行動を正当化したいがために、あえて情報が入らないようにする傾向がある。確認せずに嘘の情報をSNSで拡散させるのも、それを信じてしまうのも根は同じだろう。もっと目を見開いて自分の行動を見直し、曖昧な知識をそのままにしないことが大切ではないか。
自分の信念に従って行動する「高い志を持つ、市場価値の高い技術者」を育成します。
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コンサルティングと研修のサービスを提供します。
所長:石田厚子 技術士(情報工学部門)博士(工学)
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視野を広げて自分の行動を見直そう
2017.10.29