例年より早い12月15日に年賀状を投函した。会社勤めをしていた時と比べればかなり減ったが、毎年欠かさず出している。多分、(認知機能が衰えていない限り)一生出し続けるだろう。私が年賀状を出す理由はただ一つ、生存していることをお伝えすることである。パソコンで作成してプリンタで印刷し、年賀用の切手を貼ってポストに入れるだけなので、作るのも出すのも大した手間はかからない。昔に比べれば随分楽になった。亡くなった方、年賀状仕舞いを伝えてこられた方を宛名リストから外すことには気を付けている。
高齢になって良いことがあるとすれば、気の進まない相手との付き合いをしなくても済むことだろう。さらに言えば、気の進まないことをしなくても済む。それによってストレスが減り、穏やかに暮らせるはずである。でも、心配なのは、脳への刺激がどんどん減ることである。刺激が減れば働きも衰えるはずだ。もしかしたら、私が年賀状仕舞いをしないのもそれを避けたいからかもしれない。一応、旅行で撮った写真から気に入ったものを選んで貼り付け、添える言葉もそれに合ったものにするくらいの努力はしている。ただ、それが脳に刺激を与えるほどのものと言えるかどうかは疑問である。
では、脳に刺激を与える良い方法とは何だろう。仕事が一番良いとは思うが、適当なものはなかなかこちらには来ない。であれば、自分でどこかに飛び込む必要がある。旅行は最も手っ取り早い方法だろう。事実、今年11月のインドのベンガルールへの企業と大学の視察旅行は、かなり強い刺激になった。脳ばかりでなく胃袋にも。でも、そんな機会はいつでもある訳ではない。何か、意識して作り出す方法はないものか。そこで次のことを考えた。あえて、気の進まない相手と付き合い、気の進まないことをする、ということである。しかし、これはかなりハードルが高い。2026年の目標とするとしたら、三日坊主で終わるのは確実である。もう少しハードルを下げてみよう。
「嫌なことから逃げない」では曖昧過ぎて目標にはならない。やはり、毎年目標に掲げている「初めてのことをする」が適当なのではないか。2025年は初めてインドに行った。2024年は、県の生涯学習センターでパソコン利用者をサポートするボランティア活動を始めた。いずれも、文字にすれば簡単に見えるが、脳や体に与えた刺激は少なくなかった。特にインドの場合は、直前にテロなどもあり不安で押しつぶされそうになりながらの渡航だった。帰国直後は、肉体的にも立ち上がれなくなるほどの疲労感に襲われた。それでも、すべてに関して「行ってよかった」と思え、自分に自信もついた。
いよいよ2026年が始まる。目標を「初めてのことをすることによって脳に刺激を与える」とする。さて、初めてのことはどうやって見つけるか、が問題である。実は、結構身近なところにある。それは、「やらなくてはならないのは分かっているがどうやったらいいかわからなくてやらずにいるもの」である。やらない理由、出来ない理由をいくつも見つけて放っている。そしてもうひとつは、誘われているのに躊躇しているものである。これこそ「気が進まないこと」である。さあ、飛び込んでみるか?
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所長:石田厚子 技術士(情報工学部門)博士(工学)

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脳に刺激を与える良い方法
2025.12.28

