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誰に聞くのが一番だろう


2024.6.16


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 6月にもかかわらず暑い日が続く。一年の半分は夏なのではないか。もう3年くらい前から、自分の気温に対しての感覚があてにならないことに気づいていた。現在は、機械的なセンサーに頼っている。温度と湿度が表示される小さな機器を家の複数個所に置いて、常時チェックしているのだが、ますます自分の肌感覚が怪しくなっていることを実感する。

 最近、新聞で16の性格タイプ診断なるものを知り、興味を持ってやってみた。結果を見て驚いた。自分で思っていたものと全く違っていたからである。合っているところは計画的に行動するという点だけである。もしもこの診断結果が自分で気づいていない私自身の性格だったのなら、私の人生はもっと変わっていたはずだ。もっと出世して金持ちになっていたのではないか。後期高齢者の私は、自分の性格的な強みと弱み、その結果として現在の場所にいることに納得している。どう考えても自分の認識の方が正しいとしか思えない。いずれにせよ、もう人生を一からやり直すことはできないし、やる気もない。

 さて、「これこそ本人に聞いてみるのがよい」と最近感じたことがある。このコラムでも2回続けて話題にしてきたRaspberry Pi Pico(ラズパイ・ピコ)のプログラミングである。ラズパイ・ピコ向けのプログラムはMicro Pythonで書く。そのプログラム・コードをChat GPTで作らせようというのが、夏休みに行う小学生向けのプログラミング教室でのテーマになっている。私は、そのプログラミング教室をボランティアでお手伝いするのだが、それに先立って自分で勉強しておく必要があった。さて、プログラムをChat GPTで作らせるにはどうしたらよいのか。これこそ本人に聞いてみるのがよいはずだ。

 というわけで、まずは、ラズパイ・ピコのプログラム・コードをMicro Pythonで書くお願いをする方法をChat GPTに尋ねた。多くの人が同じ質問をしたはずだ。非常に丁寧に、かつ、LEDをチカチカさせるプログラムを作ってもらう例も挙げてくれていた。これだけあれば夏休みの教室には十分役立つ。

 私の次なるテーマは、MPU6050というセンサーとラズバイ・ピコをつないで、温度、加速度、角速度の値を定期的に取得し、表示するプログラムのコード作成である。Chat GPTに依頼する以前の問題として、MPU6050の機能、ラズバイ・ピコとのつなぎ方などを知っておかなければならないので、様々なサイトや動画などを検索して参照した。その中にはプログラム・コードも載っていたので、何となくできそうな気もしてきた。しかし、もう5年近くPythonを使っていなかったので、プログラミングの知識はかなりあいまいになっている。ただ、やるべきことは明確になった。ここでまた、Chat GPTに教えてもらうことにした。 結果は驚くべきものだった。丁寧な説明付きでプログラムのコードが出てきた。それも様々なサイトを検索して出てきたものとほぼ同じだが、よりすっきりと分かりやすい。

 十分な前提の知識を持った上で必要な情報を伝えて質問すれば、回答の精度は上がるのは当然だ。体感で快適さを測ったり、曖昧な質問で性格を判断したりするのは、やはり無理がある。当事者に十分なデータとその分析能力があれば、その本人に聞くのが一番だ。

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