新しいことに挑戦するのが私の主義なので、いつまでもRaspberry Pi Pico(ラズパイ・ピコ)にピンをはんだ付けするのを避けているわけにはいかない。ということで、はんだ付けの仕方の動画を何度も視聴し、はんだごての選び方を検索し、初心者でも使えそうなものを購入した。壊れたのに捨てずにいた機器を練習のために取り出していざやってみると大失敗。大事には至らなかったが指にやけどまでしてしまった。私には無理だとすっかり自信を無くした。その日は追い打ちをかけるように、業者に頼んで処理してもらわなければならないトラブルに見舞われた。夜で営業時間も終わっており、一旦、その業者の公式Lineにメッセージを入れて寝てしまった。
次の朝、気を取り直してもう一度はんだ付けに挑戦することにした。昨日の失敗の原因を良く分析し、拡大鏡を眼鏡の上に装着して、昨夜何度もイメージトレーニングした方法でやってみたら、何とラズパイ・ピコの40本のピン全てのはんだ付けができてしまった。さらに、LEDのチカもできた。飛び上がって喜んだその時、昨日入れた業者へのLineに返信があった。さらに時間を置くことなく、以前担当してくれた人から電話がかかってきて、事情を理解した上で対応の日程調整までできてしまった。昨日とは打って変わった幸せな気分に包まれたのは言うまでもない。
こうしたことがあると、つい、悪いことは重なるものだ、同様に、良いことも重なるものだ、と考えがちである。落ち着いて思い出してみると、トラブルのあった日は探していた夏服が買えたなど良いこともあった。一方で、はんだ付けがうまくいったのは、前日の失敗の原因分析、それまでの数々の準備作業が功を奏したのである。私が連絡を取った業者は以前の対応の良さと、顧客情報の管理ができていると思える事実を掴んでいた。だからこそ、依頼しようと思ったのである。要するに、良い事や悪い事が起こるタイミングや頻度は、運や確率に影響されたのではなく、理由が必ずあったのだ。私はよく「大丈夫うまくいく」と口に出して言う。これは、気持ちを切り替えて前向きになるためのおまじないのようにみえるが、実は準備完了の確認なのだ。ところで、私はここで「大丈夫」を「必ず」や「確実に」の意味で使っている。最近の人が良く使う「レジ袋は大丈夫です」などとは違う。それを聞くと私は「要るのか要らないのかどっちだ?」と混乱してしまうが、古いのかな。
さて、ラズパイ・ピコで何をするか、色々考えていたが、まずはセンサーとつないでデータを取ることからしようと思った。そこで加速度センサーを購入した。迷った末に、あらかじめはんだ付けがされている高価なものを選んだ。あえてやけどや失敗のリスクを冒さなくてもよいと考えたからである。一度成功したらもう良い。リスク回避も重要な準備行為だ。
業者にお願いしたトラブル対応であるが、5年前と同じ内容なのに、見積もりをしてもらったら1.4倍に費用(税込)が膨らんでいた。その間にあった消費税の増税や様々なものや手間賃の値上がりのことを考えれば当然と納得した。即決できるのも準備があってこそ。改めて声に出して言った。「大丈夫うまくいく」。
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コンサルティングと研修のサービスを提供します。
所長:石田厚子 技術士(情報工学部門)博士(工学)
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大丈夫には訳がある
2024.6.9