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変化はブレーキではなくアクセルだ


2024.5.26


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 暑いのと寒いのではどちらが良いか、と聞かれることは多い。大抵は、夏に聞かれれば寒い方と答え、冬に聞かれれば暑い方と答えてしまう。しかし、最近は、体調に影響するのは「暑さ」「寒さ」それ自体ではなく、「寒暖の変化」であることが分かってきた。季節の変わり目になると血圧が上がり、足が攣ることが増える。寒暖差の激しい日は体調もすぐれない。気持ちの面でも同様である。いつもと違うことをしようとするとストレスを感じることが増えた。高齢になると変化に弱くなるのだろうか。

 これまでの75年間を5年ごとに区切って、変化の多かったのはいつだろうかと考えたことがある。実は、60歳以前には現在とは段違いの変化があったことに気づいた。自分自身のみならず家族や職場に関わることも自分自身に影響していたので、変化は3,4倍にも膨らんでいたのだ。一方で、70歳以降などは殆ど変化なしと言っていいほどである。これでは高齢になると変化がストレスになるのも当然かもしれない。

 ストレスをできるだけ減らそうと変化のない生活をしていたらどうなるだろう。明らかに知力も体力も落ちていくはずだ。やがてフレール状態になり、要介護になる日が早まるに違いない。私としてはそれだけは避けたい。せめて100歳になるまでは認知症になることなく自立した生活が送りたい。そのためにも、変化をストレスと感じさせない工夫が必要ではないか。そんな時、変化がストレスどころか楽しくてたまらなくなる時が最近あったことに気づいた。その例を2つ挙げてみたい。

 一つはスマホの機種変更である。これまでの小さな画面とバッテリーの減りに悩まされていた問題が解消して、非常に扱いやすくなった。これまでは何をするのにも一々パソコンを立ち上げてやっていたのが、殆どスマホで済ませることができている。つい、チラシのQRコードを読み取って買い物をしてしまったりするので気を付けなければならない。ネットの利用がこれまで以上に増えているので、それだけトラブルに遭遇することも多いのだが、ストレスはそれほど増えていない。あれこれ試して解決すればもちろんだが、最終的に解決しなくてもその理由が分かっただけで「何かやり遂げた感覚」が心地よいのだ。

 もう一つは、ボランティアで参加している「プログラミング教室」での電子機器(というか玩具?)のプログラミングである。教材として使っているマイクロビット、マクイーンなどを簡単なプログラムで動かす。家でも、カレンダーの裏に黒い線を描いて、その上を走らせて楽しんでいる。さらに、Raspberry Pi Picoを使ってPythonを学ぶということも予定されているので、事前にRaspberry Pi Picoを注文した。届くのが楽しみである。端子ピンのはんだ付けが必要だというので心配であるが、挑戦できるのでワクワクしている。

 上記の二つに共通するのは、今までやったことのない体験ということである。当然ながらスマホなどは若い頃には無かった。だから興味が怖さに勝ってしまう。また、本来不器用なので電子工作などやったことがない。だから失敗する恐怖よりも出来たらすごいな、という思いが強い。私にとって変化はブレーキではなくアクセルである。

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