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発見と探究と学びの日々


2023.10.29


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 自分以外の誰かから指示、あるいはアドバイスによって何かを学ぶよりも、自分自身が何かを発見し、それについて探求していく方がずっと楽しい。その意味では、学校での学び(授業)や、仕事で必要なことの学び(研修)から解放された現在の生活は、私にとって天国である。最近は、様々な国の言葉を聞いてその類似性を発見し、そこから各国の地理上の位置関係や歴史上のつながりを調べるという楽しみを見つけた。

 楽しい発見ばかりではない。原因不明のトラブルに遭遇するのも発見である。とくに電子機器を使っているときのトラブルは、すぐに原因を突き止めて対処しなければ生活や仕事に大きく影響してしまうので不安が大きい。たとえ対策ができても、半年もすると細かいことを忘れてしまうのが高齢者の特徴で、血圧を上昇させる要因にもなる。

 1週間ほど前のことである。大学での講義がある日なので、講義に使っているWindowsタブレットの充電ができているかを確かめるために起動したところ、タッチパネルに指が反応してくれない。電源ボタンを長押しして再起動すると復活するが、再度起動すると駄目である。授業に間に合わないので、昨年まで使っていたノートパソコンをバッグに入れて大学に出かけた。とりあえず昨年使えていたので何も心配していなかった。しかし、重ねてトラブルが起きた。このパソコンをプロジェクタとつないでも全く反応してくれないのだ。パニックになるのをぐっと抑えて、学生には自分のパソコンで配布資料を見てもらい、ページめくりを指示しながら授業を進めた。大学では、学生は全員がパソコンを持参し、資料は電子化して事前にダウンロードさせる方式になっているので事なきを得た。

 帰宅する途中で原因について考えを巡らした。まずはパソコンがプロジェクタとつながらなかった件である。昨年のことを思い起こしてみたら、HDMI接続をしていた。しかし、この日は慌てていてHDMI接続ケーブルを持っていかなかったので、タブレットで使っていたUSB(Type-A)とHDMI変換ケーブルを使ったのだった。タブレットでできていたので当たり前と思い込んでいたのが失敗だった。さらに思い起こしてみると、この変換ケーブルを使うためにタブレットにアプリをインストールしていた。半年前のことなのにその事実もどうやってインストールしたのかもすっかり忘れていた。(認知症の初期症状?)帰宅して変換ケーブルの説明書を探し出し、パソコンにもアプリをインストールして、自宅のプロジェクタでテストして投影の確認をした。これで本件については問題解決をみた。

 タブレットが私の指に反応しなくなったトラブルだが、ネットで調べても対策は分かっても原因が全く分からなかった。ところが、液晶画面をクリーニング用クロスで丁寧に拭いてみたら問題なく反応するようになった。汚れていただけだった。重ねて起きたトラブルは、不運の連鎖でも何でもなく、私のミスにすぎなかった。

 今回のパソコンのトラブルでは他にも問題が発覚した。ここでは書かないが、それらの対策でも多くのことを学んだ。良いことも悪いことも発見、探究は学び(および反省)につながる。まだまだ修行の日々が続く。

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