私が外食をすることが殆ど無くなったのは新型コロナの影響ばかりではない。生活がほぼコロナ前に戻りつつある現在でも、外食どころか中食すらする気がなくなっている。美味しいものが食べたくないのか。そうではない。美味しいものなら想像の中でいくらでも食べられる。一方で、リアルな世界ではそれを超える美味しいものを食べることは無理であると感じるようになったのだ。
この2,3年の間に、食べたいと思った料理を実際に食べてがっかりすることが多くなった。どうしても想像していた美味しさには届かないのだ。想像(妄想に近い)の中では、過去に自分が食べた最高の料理が思い浮かぶ。そこには自分が感動した味、食べた時感じた幸せな気分まで全てが集約されている。それを超えられるものなど、いや、それに近いものすら見つけるのは難しい。例えば、子供の頃に運動会や遠足の弁当のために母が作ってくれた海苔巻き(具は干瓢のみ)は、リアルな世界ではもう決して食べられない。
では、リアルな世界で食べる楽しみは無いのか。そんなことはない。バーチャルとリアルの間を行き来しつつ食を楽しめる。空腹を感じるので三度の食事は大いに楽しみである。なぜ空腹になるのか。その理由のひとつは運動、すなわち毎日2時間以上のウォーキングである。その他にも、難しい本を集中して読む、大量の資料を分析して講義テキストを作るなどの「頭を使うこと」でお腹が空く。もう一つは、食事の間隔を空けることである。間食は一切しない。でも、バーチャルな世界(妄想)ではケーキも和菓子も食べ放題だ。
仕事空間にもバーチャルとリアルの行き来がある。私の持っている(まともに動く)6台のパソコンのうち3台はWindows 11(最近購入した2台)とWindows 10(10年以上前に購入しWindows 7から10に変更)である。これらはOneDriveで同期を取ることで、全てのファイルが共有できている。お陰で、どのパソコンのデータもどこからでも見られるし、データのバックアップができている安心感がある。非常に便利な仕事空間になったと喜んでいた。しかし、リアルな世界での問題が明らかになってきた。
まず問題が起きたのは10年以上前から使っているパソコンである。年が経つにつれて動きが遅くなったのは気づいていたが、最近ますます遅くなった。その原因はOneDriveが同期をとる時間である。これは予測されていたことである。このパソコンを使う頻度は非常に低いので大きな問題とは思っていなかった。もうひとつは、長年使っていたため、デスクトップ画面が使っていないファイル、アプリ、データによってゴミ屋敷状態になっていたことである。それらが他の2台のパソコンから見えてしまったため、3台全てがゴミ屋敷になってしまった。応急処置として元凶のデスクトップパソコンのゴミを「押し入れにつっこんで」片付けることで何とか仕事場が整理できた。しかし、これで問題が片付いたわけではない。現在はわずかな課金でまかなっているデータ容量が尽きることは目に見えている。古いパソコンから終活(データ整理)をしていく必要があるだろう。
バーチャルは必ずリアルとつながっている。リアルの行動次第でバーチャルも充実する。
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コンサルティングと研修のサービスを提供します。
所長:石田厚子 技術士(情報工学部門)博士(工学)
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バーチャルとリアルの間
2023.5.21