毎日欠かさず続けているウォーキングで、週に一度は家から1時間ほど歩いたところにある大型書店に立ち寄る。そこでは、どのような本が出ているのか、どのような内容なのかを確かめるだけであり、興味を持った本はAmazonで買うことにしている。ずっと気になっていた本があった。ユヴァル・ノア・ハラリの「サピエンス全史」である。読みたい気持ちはある。しかし、上下2巻になっていて4180円もする。もう少し待って中古市場に出てきてから買おうか、と思っていたが、書店に平積み状態なので現段階では無理だと判断せざるをえなかった。そんな期間が何か月も続いた。
何とかならないか、とAmazonのサイトを眺めていたら、Sapiensというペーパーバックの本が見つかった。こちらが原書なのだ。全1巻で500ページ、当然英語だが、値段もAmazonなら2000円弱だ。(後日書店の洋書コーナーで見たらさらに数百円高かった。)しかも、中古なら1000円で買える。春の陽気に背中を押されるように買ってしまった。届いた本は中古とは思えないくらいきれいで、たぶん誰も開かないまま売れ残ったものではないかと思われた。セロファン紙でカバーをして読み始めた。
英語の本はやはりきつかった。最初は10分もたたないうちに投げ出してしまった。それでも毎日少しずつ読んでいるうちに段々ペースが上がってきた。わからない単語をスマホで調べながら、同じところを読み返したりしているので、日本語の本を読むより数倍時間がかかった。その分、内容は頭に入ってきているように思えた。半月ほどがんばったら真ん中あたりまでたどり着いた。日本語版なら上巻の終わりというところか。これなら最後まで行けるかもしれない、がぜんやる気が湧いてきた。
気持ちが高ぶったまま、同じ著者の「ホモ・デウス」も買うことにした。こちらも原書(Homo Deus)で行こう、とAmazonのサイトで探した。ペーパーバックで500ページ以上あるが少し安い。中古本が700円で出ていたのですぐに注文した。届いた本はめくったような跡は見られたが大変きれいだった。こちらもセロファンのカバーをかけて準備したが、読み始めるまでにはさらに半月がかかった。Sapiensの後半に手こずったのである。
Sapiensの内容が近代から現代に移るにつれて、戦争や政治、経済の話題が増え、英語が不得意な上に世界史に弱い私はスマホで単語の意味を調べるのに追われてしまった。それでも最後に最新技術や近未来の話に移ると読むペースが上がり、1か月で読了した。その勢いのままHomo Deusに移った。現代から未来の話題なので滑り出しは好調である。
SapiensとHomo Deusは内容的につながっている。そのつなぎ目にある話題が「幸せとは何か」だろう。幸せの感覚は長続きしない。自分自身で考えると、困難な状況を乗り越えた時に幸せを感じる。であれば、次の困難を見つけ出して解決していくことを繰り返すしかない。残りの人生を何のために生きるべきなのか、の答もここにありそうだ。
いよいよ本格的にHomo Deusの中身に入っていく。目標は1か月で読み終えること。時間はあるので焦るまい。人類の幸せについて考えながらゆっくり進んで行きたい。
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コンサルティングと研修のサービスを提供します。
所長:石田厚子 技術士(情報工学部門)博士(工学)
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SapiensからHomo Deusへ
2022.04.24