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マイナンバーカードを普及させるために


2021.10.24


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 私は結構新しい物好きなのかもしれない。マイナンバーカードを作ったのは5年前である。ただし、成り行きでそうしたというだけのことであり、欲しくてたまらなかったわけではない。それでも私にとっては便利で、様々な場面で結構役に立っている。

 作成した理由の1つ目は、確定申告を電子申請するのに必要だったからである。2013年に会社を定年退職してから毎年確定申告している。当初から税務署に行って並ぶのは嫌だったので、電子申請にするつもりで住民基本台帳カード(住基カード)を作り、結構高価なICカードリーダーを購入した。それからしばらくしてマイナンバーカードが発行されることになり切り替えたのである。確定申告以外でも様々な手続きに利用している。  2つ目の理由は、身分証明書に使えるものが欲しかったからである。運転免許証を持たない私は、身分証明書の提示を求められる場合にパスポートを提示することにしていた。これが結構面倒であった。常に携帯できる写真付きの身分証明書が欲しかった。それが写真付きの住基カードであり、それに代わるマイナンバーカードだったわけである。

 さて、マイナンバーカードが健康保険証としても使えるようになったと聞き、早速登録することにした。マイナポータルからの登録はあっという間にできて正直驚いた。健康保険証の番号などを入力させられるのかと身構えていたのだが不要だった。システム上ではマイナンバーと健康保険証の番号はすでに紐づいているのだ。ただし、私自身がマイナンバーカードを健康保険証として使う日はいつ来るかわからない。今は近所の歯科医院に時々行くだけで、病院とも薬局とも縁がない。小さな歯科医院でマイナンバーカードが使えたとしてもあまりメリットがあるとも思えないので、その日は遠いのではないか。

 マイナンバーカードの普及率は4割程度でなかなか増えないと言われている。その理由は無くても困らないからだとのこと。つまり身分証明書としては運転免許証があるし、誰もが確定申告を電子申請するわけでもないし、わざわざカードなど作る必要は感じられない、というのも納得できる。でも、代替物があっても欲しいと思わせ、一旦普及してしまうとどんどん便利になり手放せなくなるものがあった。スマホだ。

 遡ること13年前の2008年、ソフトバンクがiPhoneを売り出した。早速同僚が購入し、皆に見せびらかしていた。しかも、使っていないときにも手で撫でまわしながらニヤニヤしていた。今考えれば気持ちが悪いとしか言いようがないのだが、それを横目で見ていた私は、うらやましい、私も欲しい、と思ってしまった。しかし、自分の携帯電話は機種変更したばかりであり、それも気に入っていたのであきらめざるを得なかった。チャンスは半年後に訪れた。会社が業務用に貸与している携帯電話を、数量限定で試験的にiPhoneに切り替えることが出来る、との通達があったのである。早速手を挙げ、念願の機種を手にすることができた。これが私のスマホデビューである。マイナンバーカードだって、欲しいと思わせる何かがあれば広がる可能性はあり、その後どんどん便利になる可能性もある。

 最後に、マイナンバーカードと健康保険証(私の場合は国民健康保険証)共通の問題点を挙げたい。文字が小さすぎて読めない。数字の読み取りは至難の業である。ひょっとしてこの辺に欲しくなるヒントはないだろうか。拡大鏡つきカバーをおまけに付けるとか。冗談で言っているだけなので無視して欲しい。



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