非常勤講師をしている大学に1年3か月ぶりに行った。4月からハイブリッド型講義(学生の半数が教室で講義を受け、残りの半数がZoomにより遠隔地から同時受講する)を担当するので、機器の接続確認をするためである。昨年秋に買ったばかりのPC(新人君)を担いで張り切って玄関を出た。階段を降りようとして足元が覚束ないのに気づいた。靴のせいだ。1年以上、シニア御用達のウオーキングシューズにだぶだぶのジーンズという恰好で過ごして来たのに、ストッキングにスカート、そしてパンプス姿になり、体が付いて来ないらしい。お蔭で次の日は肩こりと腰痛が起きてしまった。
パソコンと機器の接続の方もすんなりとは行かなかった。Zoomを立ち上げて第一回目の講義資料を共有するのは家で実証済みなので問題なかったのだが、PCをAV機器に繋ぐときになって躓いた。過去に授業で何度もやっていたようにHDMIのケーブルをPCに繋ごうとしたのだが、HDMIの差込口が見つからない。そんなはずはないとPCをひっくり返したりしていたら、スタッフの人がやってきて「ここですね」と小さな穴を指さした。「変換ケーブル持って来ますね」。マイクロHDMIだったのだ。確認もせずに持ち出すなんて私もコロナぼけが進んだな、とがっくりした。その後は、教室内のマイクからの音声をPCのZoomに取り込む接続(こちらはUSB)を行ない、スピーカー、マイクともに使えることをチェックして接続確認は終了した。
マイクロHDMIからHDMIへの変換アダプタケーブルは自分で用意しなければならない。よく考えてみると、過去にも同じような変換アダプタを使っていたように思う。3年前までは大学の講義とゼミでSurface Pro3というタブレット型のPCを使っており、それをプロジェクタに繋ぐのに使っていたはずだ。Macを持っている学生に貸してもいた。あれは違うものだったのだろうか。家に帰って身の回りの機器を調べてみると、似て非なる差込口がまだあるではないか。2年前に遊んでいたRaspberry Pi 3 Model B+の電源ケーブルの差込口も同じような大きさだが形状は微妙に違う。iPhoneの画面をテレビに映すための変換器が無造作に転がっていたが、明らかに違う。私は何も考えずに接続をしていたようだ。
この際だからと、はっきりさせることにした。Surface Pro3とMacはミニDisplayPortというもので、新人君のマイクロHDMIとは全く違う。Raspberry Pi 3の電源ケーブルの差込口はマイクロUSB(Micro-B)でうっかりするとマイクロHDMIと間違えそうだ。iPhoneはLightningというもので全く別物。しかもLightningからHDMIに接続する変換アダプタは結構高額なのでその辺に転がしておくのはまずい。さらに、最近導入したクラウドWifi用のU3の電源はUSB(Type C)であるということも分かった。
コロナぼけからの社会復帰は結構大変だ。しかし、これまで意識せずに行っていた機器の接続について勉強できたので良しとしよう。これから先も色々な形式のものが出てくるのだろう。ちなみに100円ショップでHDMI-マイクロHDMI変換アダプタを買ってみたが、隣のUSBを使う際にはそれにぶつかって刺せないことが分かった。世の中甘くない。
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所長:石田厚子 技術士(情報工学部門)博士(工学)
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この差込口は何だ
2021.03.28