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できるのなら実験しよう


2021.03.14


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 新しいことをしようとするとストレスを感じてしまう。できればやらなくて済む方法はないか、と考えたりする。そんなとき私は「実験だから」と自分に言いきかせる。失敗してもいいじゃないか。実験なんだから。そこから学ぶことは多いはずだ。本当は、うまくいくと思って張り切ってやったら失敗して「実験」を言い訳に使うことばかりなのだが。

 失敗ばかり続いてきた実験の中で珍しくうまくいったのが、Windowsの暴走で使い物にならなくなったパソコンをUbuntu(LINUX)にOS丸ごと入れ替えて甦らせたことである。これに味を占めて、既にリタイアさせることを決めていた(私の分身同様だった)パソコンもWindowsからUbuntu(LINUX)に入れ替えて使えるようにした。こちらは、Ubuntuインストール用のUSBを作るところからできたのでちょっぴり嬉しさが増した。このパソコンはUbuntu2号と呼んでいる。

 さて、まもなく大学の新学期が始まる。実は不安がある。昨年度は春に1科目担当しただけで、それも音声付の資料の視聴とレポート提出を主体とした「オンデマンド」授業だったので、Zoomを使ったリアルタイム授業をやったことがないのである。今更ながら、昨年度に大学から配布された「Zoomを使った授業の進め方」の資料を読むところから始めた。自宅で試すうちに何とか授業はできそうだと思えるようになった。しかし、学生にどう見えるのかを確かめなければ双方向の授業はできない。家で実験できないだろうか。

 ここで思いついたのが一人三役ミーティングである。講師のパソコンで授業(ミーティング)の予約をする。URL、ID、パスワードを学生(ここでは私自身)にメールで送っておく。そして、予定時間前に講師のWindowsパソコン(別名『新人君』)でミーティングを開始し、パワーポイントの資料を共有にする。学生は2人、Ubuntu2号とiPhoneを使う私である。3人ともOSが異なり、ブラウザが異なる。これはよい実験になる。

 実験初日はかなりもたついた。Ubuntu2号のブラウザ(Firefox)からなかなかZoomに入れなかったし、iPhoneもApp Storeからアプリのダウンロードが必要だったからである。それでも、マスクをかけてどう見えるかなどの確認も(正面からだけでなく横顔も含めて)できて、一人三役ミーティング(実験授業)はうまくいった。

 数日後、今度はUbuntu2号に講師をしてもらうことにした。多分そのようなシチュエーションは無いとは思うが、もしも新人君にトラブルが起きたら助けてもらう必要がある。そこでUbuntuでは読めないパワーポイントの資料をpdfに変えてUbuntu2号に入れて置き、ここからミーティングを開始した。Pdfの資料を共有したら、学生役の新人君のパソコンからきれいに見ることができた。リスク対策も一歩前進だ。

 緊急事態宣言はまだ続いている。大学の授業が全面的に対面授業になる日はまだ見えない。対面とリモートを同時に行うハイブリッド授業が全面リモートに変わることも無いとは言えない。コロナとの闘いは毎日が本番である。常に自分が正しいと思うことを信じて行動していかなければならないのだ。実験できたらもっとうまく闘えるのに。



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