昨年の秋、色はバラバラの30個のチューリップの球根をネットで購入した。3か月間冷蔵庫の野菜室で冬ごもりをさせて、年明けに取り出して水栽培を始めた。あらかじめ100円ショップでプラスチックのコップとそれにピタリとはまるプラスチックのカップを30個ずつ購入しておいた。カップに穴をあけて球根をセットし、コップに水を入れて両者をはめ込み出来上がり。それらを段ボール箱に詰め込んで、屋外の風や雨の当たらない場所に置いた。毎日根と芽が出てくるのを確認して、順次暖かいリビングに入れていった。
1月の半ばには全ての球根がリビングで春を迎えることになった。2週間後には数本がつぼみをつけ、あっという間に花を咲かせた。しかし、何ということか。咲きだしたのは全て紫色である。しかもヒョロヒョロして倒れそうになっている。想像していたのは、30個の様々な色のチューリップが一斉に咲き乱れる状況だったのに全然違うではないか。
よく観察してみると、紫のチューリップは丈が高く葉は細くとがっている。その他のものは背が低かったり、葉が広かったり、様々である。それはそうだ。チューリップにも色々な種類があって、早咲きと遅咲き、背の高いのと低いの、葉の細いのと広いの、そして色は様々なのだ。一斉に咲き乱れるなんて、こちらの勝手な思い込みにすぎなかったのだ。
数日後には赤、白、黄色の花も咲きだした。毎朝、1つか2つのつぼみが突然現れる。さて何色だろうかと想像するのが楽しくてしょうがない。30個全てが咲くのにはまだまだ時間がかかりそうだ。それだけ楽しみも長くなるということだ。素晴らしい。
話は変わるが、私は昨年の5月初めから手作りの白い布マスクを愛用してきた。目のすぐ下から顎まですっぽりと覆えて、息苦しくない。毎日の2時間半ほどのウォーキングでも、集合住宅の7階までの階段の昇り降りでも、息が上がることはない。布マスクこそ理想のマスクだと自画自賛していた。しかし、最近「不織布マスク」以外はウィルスを防ぐ力が落ちるという報道がかなり目立つようになり、心配になってきた。さらに、毎週の(不要不急ではない)公共交通機関の利用で「マスク警察」などにからまれる恐れもある。そこで、電車に乗る日だけは不織布マスクをつけることにした。
さて着け心地はというと、想像していたほど息苦しくない。しかも軽い。これなら大丈夫そうだ。次の日のウォーキングは、ちょっと迷ったが不織布マスクで出かけた。実験のつもりだった。2時間半歩き続けても全く息苦しくないではないか。そんなわけで、あっさりと宗旨替えをして毎日不織布マスクを使うことになった。
思い起こせば、昨年春、不織布マスクの入手が困難になって、窮余の策でありものの布とゴムを使ってマスクを作ったのだった。着けてみたら意外と快適で、数枚を洗い替えしながら9か月も使い続けてきた。布マスクだから息苦しくない、というのは勝手な思い込みだったようだ。かなりくたびれてしまった布マスクにはリタイアしていただくことになった。
不織布マスクにも様々な色のものが出ているとテレビで知って、早速ネットで購入した。桜色のマスクを着けての散歩は心が躍る。春はもうすぐそこまで来ている。
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所長:石田厚子 技術士(情報工学部門)博士(工学)
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チューリップと桜色のマスク
2021.01.31