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パソコンの定年退職


2020.09.06


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 私は3台のパソコンをプライベートで所持している。そのうちの1台は7年半前に購入したデスクトップで、最初のOSはWindows7だった。画面が大きく使い勝手もよく重宝していたが、1年半後にWindows10にアップグレードしたところ、動きが遅くなり不具合も散見されるようになった。それでも致命的な欠陥とまでは言えず、何とか使えている。現在は、伝票の整理とe-Taxによる確定申告のときしか活躍の場がない。残りの2台はノートパソコンである。そのうちの1台は6年半前に購入したものであるが、最も愛着を感じていたのに、定年退職を言い渡してしまった。その顛末について話をしたい。

 このパソコンは外での仕事のために買ったものである。バッテリーの持ちがよいこと、軽いことが特徴である。最初のOSはWindows8だったが、すぐにWindows10にアップグレードした。全く問題なく、しかも速く動き、まるで私の分身のようにどこにでも来てくれた。とくに自治会の書記の仕事をしていた期間は大活躍だった。市長が参加する市民集会の書記を担当したときも会場でどんどん入力することができた。もちろん大学のオンラインの講義でも十分働いてくれた。

 半年くらい前からWi-Fiがぶちぶち切れるようになった。そのたびに接続をしなおすのは結構面倒である。この問題は「ネットワークアダプタのドライバーの再インストール」により一旦は解決した。しかし、1か月前、キーボードのキーのひとつが反応しなくなったのは困った。たまたまラズベリーパイで遊んでいたときに使っていたキーボードがあったのでつなぐことで当面の解決にはなったが、これでは分身のようにどこにでも連れていくのは難しい。しかし、致命的だったのはディスプレー画面にくっきりとした赤い縦線が入ったことである。気にならないと言ったら嘘になる。もう定年退職してもらうしかない。

 決心したらすぐに行動した。夜にインターネットで同じくらいのスペックのパソコンを注文。次の日の午前中には届いていた。電源を入れてちょこちょこっと設定しただけですぐに仕事をしてくれた。しかも速い。言ってみれば「即戦力の新人」を雇ったようなものである。気に食わないところといえば、やや敬語の使い方がおかしいことくらいか(あくまでもたとえ)。経験よりも即戦力が重視される現実社会を映しだしているようである。

 分身とのお別れで涙に暮れている場合ではない。実は最後の1台が問題なのである。これは2年前に購入したWindows10のマシンで、Office365が搭載されている。ところが来た時から問題児であった。立ち上がりが非常に遅い、つまり仕事になかなか入らないのだ。ただし、一旦仕事に入ればよく働いてくれる。高い買い物をしたと半分諦めていた。これが1か月ほど前から暴走を始めた。全く立ち上がらない、立ち上がったら何もしないのに勝手に文字を猛スピードで入力してしまう、フォルダーが開けない、などなど。色々調べて、バッテリーの放電、BIOSの初期化などを行った結果、何とか落ち着いてくれた。しかし、またも反応してくれないキーが見つかってしまった。また外付けキーボードか?まだ来てから2年しか経っていない。今度は何とか原因を究明しなければ。定年退職には早すぎる。



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