年金受給者で、大学の給与所得者で、かつ個人事業主でもある私は、毎年確定申告をしている。税務署に出向くのは嫌なのでe-Taxを使う。概ね、1月下旬には源泉徴収票などすべての書類が揃うので、すぐに申告してしまう。青色申告の書類作成には市販のソフトを使い、確定申告の書類作成にはe-Taxソフトを使っている。もう4回目になるので、平成28年分の申告は問題なく終了するはずだった。昨年と違うのは、電子証明にマイナンバーカードを使うこと、だけである。昨年夏には確定申告を意識して、マイナンバーカードを申請した。これまで電子証明に使っていた住基カードは返却してしまったので、マイナンバーカードが使えるようにしなければならない。結局、ルート証明書インストーラーの再ダウンロードが必要なことに気づくまでに数時間を要するなど四苦八苦して、何とかマイナンバーカードで電子証明書登録までできた(はずだった)。これが昨年の10月初めのことである。
確定申告の書類作成は非常にスムーズだった。昨年の書類のコピーもあるし、税額の計算の参考資料に昨年の書き込みもあるので何をすればよいかすぐ分かる。あっという間に書類は完成し、電子署名、そしていよいよ送信。申告書は税務署にすっ飛んでいった(本当に)。正常に送信されたことを確認すべくメールボックスを覗いたところ、目を疑うメッセージが届いていた。
【送信されたデータには、次のような不備が認められます。内容を確認し、補正を行った上で再度送信していただくか、書面により提出してください。
・エラー情報:本人の電子証明書が登録されている電子証明書と異なるため、再度、電子証明書を確認のうえ送信してください。】
最初に考えたのは、電子証明書の登録が(したつもりになっていただけで)されていなかったからだろう、ということであった。それなら登録しなおして送信すればよいだけである。そこで、(再度)電子証明書の登録・更新を行った。続けて、電子署名、送信、のはずが、作った書類は消えていた。探し回った結果、過去に作成した書類として存在することは確認できた。それらの名前を変えて保存しなおす方法はあったのだが、長ったらしい書類名の別名を考えるのも面倒で、本体を全部入力しなおした。手順通りに電子署名し送信し、結果は正常終了。
こうして、時間が経ってから頭を整理しなおして書いてみると大した問題ではないように思える。しかし、問題発生から解決までには、悩みに悩んで国税庁のサイトをあちこち移動しながらかなりの時間がかかっている。さらに、1年経つとやり方を忘れてしまうので、毎年何かしらのトラブルで四苦八苦しているのも事実である。
AI、ビッグデータ、ブロックチェーンなどなど新技術で新しいシステムができていくのも良いが、普段使う現行のシステムの改善はもっと重要ではないか。便利なシステムを多くの人(特に高齢者)に使ってもらうためにも。
自分の信念に従って行動する「高い志を持つ、市場価値の高い技術者」を育成します。
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コンサルティングと研修のサービスを提供します。
所長:石田厚子 技術士(情報工学部門)博士(工学)
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便利で不便なe-Taxシステム
2017.02.05