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気分が不安定になりがちな時の対処法


2020.04.26


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 新型コロナウィルスの影響で引きこもりの日々が続く。何とか平常心でいよう、との思いから、毎日その日に行うことの計画を立て、スケジュールをこなしている。それでも、気分が不安定になることは多い。「ウツになりそう」という気分である。

 4月の初めの頃は、身体が不調になることの不安が多かった。「新型コロナに感染したらどうしよう」「雨が降ってウォーキングできない日が続いたら体が固まって歩けなくなるのではないか」「ちょっとしためまいがあったが何か悪い前兆ではないか」などなど、何の根拠もないのに不安が募ることも多かった。何と、テレビのニュース番組の長時間視聴を抑えることで自然と治まった。同じような映像が不安を増幅していたのだ。

 4月半ばからは別の症状が起こりだした。毎朝測っている血圧が上昇してきたのである。食べ物は全く変えていないし運動もしているのになぜ?と不安が募った。「コロナストレス」と名付けて気にしないことにしていたところ、自然に下がって来た。それと同時に、パソコンの使い過ぎで「首から肩にかけてのコリがひどく首が回せなかった症状」が消えていた。これが血圧上昇の直接の原因だったようだ。

 それからは不安を感じたら原因を突き止めることにした。ひとつは、5月の連休明けから始まる大学の遠隔授業の進め方の悩みから来るものである。大学は学生に50ギガのデータ通信のできるネット環境の準備を求めているが、全ての学生ができるだろうか。これに対しては、オンデマンド授業のための音声付きデータのサイズを極力小さくすることを含めた工夫をこらしてせめて自分の講義だけでも対策を講じることとした。それ以上は私の力は及ばない。もう一つは、自分ではなく家族がコロナウィルスに感染したら、という不安である。これもテレビのニュース番組で幼い子供を抱えて夫婦で感染してしまったケースを観たためで、そんなことになっても高齢者の私には助けることができない、という無力感が原因である。こちらも、家族の各々が最大限がんばるしかない、と考えることにした。つまり「腹をくくる」ことが解決策なのである。感染予防対策はやるだけやった。大学の講義の準備も考えられる限りの対策を打った。あとは運を天に任せるしかないのだ。

 最後に来たのが「ありえないことが気になって仕方がない」という不安症状である。よくあるのが、カギを閉め忘れたのではないか、電気やガスがつけっぱなしではないか、という類のものになる。よく考えれば「そんなはずはない」と言えるはずなのに気になる。これだけは原因不明なのでどうして良いか分からない。この対処法は過去に学ぶことにした。

 30年近く前、会社で勤務中の私は、突然家にいる子供たちのことが心配になりだした。携帯電話もポケベルもない時代、家に電話した。何度かけても誰も出ない。心配は募る。そこで、お隣さんに電話をして見に行ってもらった。その結果、何事もないことが判明した。そのとき気づいた。「私は心が疲れている」。その後、理由もなく何かが気になって仕方がなくなったときは、「心が疲れているのだから休めてあげよう」と考えるようになった。これを今回も使ってみた。「コロナで心が疲れているのだから休めてあげようね」。不安は消えた。



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