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我が家は絶滅危惧種なのか


2019.08.04


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 70歳まで50年近くフルタイムで働いてきたが、ようやく自由な時間が取れるようになった。今幸せに感じることは、ずっと3時45分に設定されていた目覚まし時計を使わずに寝ていられること、そして、テレビを好きなだけ観ていられることである。それが分かっているのか、我が家のポンコツテレビは最近調子がよく、以前のように叩かないとつかないということがなくなった。そんなわけで、テレビをダラダラ観るという夢のような(?)生活が実現してしまった。仕事と家庭で忙殺されてきた年月に免じて許して欲しい。

 そんな生活が文字通り暗転してしまった。丁度参院選のあった7月21日、ダラダラと選挙特番を観ていたら、突然画面が真っ黒になり「受信レベルが低下しています」の文字が出た。他のチャンネルに変えても全て真っ黒である。BSチャンネルは問題なく見えているので、地デジだけの問題だ。やっぱりアンテナが古いからなのか。付け替えたらお金がかかるだろうな。チャンネル設定を最初からやり直したら、チャンネル登録すらできなくなってしまった。テレビ自体は12年前に買ったプラズマテレビでそんな古いものではないのだが。

 テレビの裏側を見ていたら、娘の家とは違うことに気づいた。通常なら同軸ケーブルなのに、平べったい黒いフィーダー線がつながっている。これが原因か。すぐにGoogleさんを駆使して情報収集を行ったところ、「フィーダー線なんて絶滅危惧種」「フィーダー線使っているくらいだからアンテナも古いはず。電気屋に行った方がいい」などとつれないものばかりである。アマゾンに頼めば30mの同軸ケーブルが1000円ちょっとで買える。まずは同軸ケーブルに変えてみて、それでダメなら次の方策を考えよう。しかしこの案もすぐに打ち砕かれた。壁についたアンテナにつながる口が、フィーダー線の導線を巻き付けて止めるネジが2つ付いたものだったのだ。このせいで、12年前にテレビを買い替えたときに同軸ケーブルが使えなかったのか。やっぱり我が家は絶滅危惧種なのか。

 しかし、Googleさんは色々な手段を教えてくれる。壁のアンテナ線の口のカバーを開けて、中からアンテナのコードを引き出して、被覆を剥いて同軸ケーブルとむりやりくっつけるなど恐ろしいものもあったが、カバー自体のネジがさびついていて開けることはできそうもないのですぐに却下。しかし、築40年以上の賃貸住宅に住む人の解決策はよいヒントになった。(我が家は築42年である。)そこで、アマゾンで同軸ケーブルとともにセパレーター(整合器)なるものを購入した。壁のアンテナ線の口に整合器を付けてそれに同軸ケーブルをつなぐのである。テレビのフィーダー線を外して同軸ケーブルを付けて、いよいよスイッチオン。地デジのすべてのチャンネルが登録できて、きれいに映るようになった。

 これまで、フィーダー線を壁のアンテナ線口からテレビまでつなぐのに、ピアノの横と後を通して8畳の部屋をほぼ半周させていた。ピアノの裏などずっと見たこともない。まさかネズミに食われているのでは、とちょっと怖くなる。現在30メートルの同軸ケーブルは床に這わせたままである。足を引っかけない様に気を付けなければ。

 とにかくこんなことでも問題解決は楽しい。またテレビのダラダラ観が復活だ。



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