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マイルールの変遷


2019.06.23


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 マイルールという言葉を知ったのはごく最近である。意味を調べる必要すら感じず、すっと入ってきた。「座右の銘」とか「信条」とか「クレド」のように大げさなものではなく、普段の行動指針、むしろ生活習慣に近いものではないかと思われる。それであれば、私にも他の人とはちょっと違うマイルールは存在する。それらは、生活環境が変わるにつれて変わってきているはずだが、変わらないものも存在する。

 20代から70代の現在まで変わらないルールはこれ『毎朝必ず化粧する』だろう。たった5分しかかからない簡単なものだが、平日であろうと休日であろうと、出かけようと、出かけまいと、必ず化粧をする。それが就寝モードと活動モードの切り替えになる。

 マイルールが変化してきたと実感するようになったのは60代に入ってからである。フルタイムで仕事は続けていたが給料は半額となり、リタイアが近付いていることを実感した時期から『気の進まない会合には出ない。気の進まない付き合いはしない。人との距離感を把握しながら付き合う。』をルールにしてきた。「ともだち百人」は小学一年生の目標である。本当の友人がほんの少しいればよい。ちなみに、私はSNSもしていない。

 もうひとつ、60代半ばからルールにしているのは、『投資より節約。投資話には乗らない。物を買う前に代替品で用が済まないか考える。』である。これは、それまでに証券会社の口車に乗せられて大損したり、殆ど着ることのないコートや着物を衝動買いしたり、といった失敗から学んでできたルールである。70代になってからは、電気代、ガス代、水道代、固定電話料金、スマホの料金などを毎月チェックし、無駄なオプションを外して必要最低限の額で生活できるように工夫している。

 さて、昨年から70代になった。ここで、新たなマイルールが加わった。身近なところでは『固定電話には出ない。留守電を聞いて対応を判断する。』がある。固定電話に架かってくる電話は、セールス、詐欺、アンケート調査が大半である。しかし、親戚や近所の人から架かってくることもある。その場合に失礼があってはならないと電話に出ていたのであるが、セールスを断るのが面倒になった。本当に必要な要件は留守電に入っていることが多いし、親戚には携帯電話の番号も伝えてあるので緊急であればそちらにかけてくれる。 

 もうひとつの70代からのマイルールは『過去にできていて今できないことに再挑戦はしない。新しいことに挑戦する。』である。実は60代と70代で考え方が大きく変わった。それは、残り時間は無限ではないことに気づいたからである。時間をかけて過去を取り戻すよりも、まだやったことのないことをやって先に進む方がよい、と判断したのである。新しく始めたことには、Raspberry pi(ラズパイ)で遊ぶことや、毎朝コーヒー豆を手動のミルで挽いて飲むことなどが含まれる。

 最後に、マイルールというより信条に近いもので、20代からずっと守り続けているものを書きたい。『常に優先順位を考えながら最優先で行うべきものから行う。今日できることは今日やる。』反論もあるだろうが、私の人生はこれでうまくいってきたと思っている。



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