娘が有名コーヒー店のコーヒー豆をプレゼントしてくれるというので、コーヒーミルを購入した。実をいうと、私はコーヒーが大好き(というか殆どコーヒーしか飲まない)なのだが、コーヒーに関する知識は殆どなく、味にこだわりがあるわけでもない。でも、有名店のコーヒーなら、それなりに気合を入れて味わわなければなるまい。そう思ってコーヒーミルを探したのだが、結構高額だし、どれがよいのか判断もできない。というわけで、昔使っていた手回しのミルと同じものを選んだ。娘からのプレゼントのコーヒーは、娘たち(大人4人)と楽しんだが、もったいなくて次に集まるときまでとっておくことにした。
一方、ミルを購入した翌日から、練習のためにスーパーで安いコーヒー豆を買い、毎朝一人分をガリガリ挽いて楽しんでいる。安い豆とはいえ、挽きたてで淹れるコーヒーの味は格別である。手で挽くのは力も時間も必要だが、それもコーヒーを美味しくしているように思える。先日は、夜寝る前にもつい飲んでしまった。
先日、孫たちが遊びに来た時に、ジャガイモに切れ目を入れて丸ごと素揚げして出した。部屋に揚げ油のにおいがこもってしまい、孫からは「臭い、臭い」と騒がれたが、揚げたてのジャガイモは結構おいしかった。ところが残った油の始末に困った。私は揚げ物を食べないので、孫たちが訪ねて来ない限り使い道はない。でも捨てるには忍びない。そこで次の日、仕事から帰って疲れていたとき、ホットケーキミックスを水で練っただけのものを揚げてみた。サーターアンダーギーもどきの丸いボールが出来上がった。これがまた美味しかった。お腹が空いていたせいもあるが、出来立てが美味しいということが一番の理由だろう。挽きたて、淹れたて、揚げたて、など出来立てに勝るものはあるまい。
大学の私の居室に、一人用のコーヒーメーカーがある。小さなメッシュの円錐の容器にコーヒーの粉を一人分入れ、水をカップ1杯分注ぎ、スイッチを入れる。お湯が少しずつコーヒーの上に落ちてくる仕組みである。その下にはカップが置いてあるので、丁度1杯分のコーヒーが注がれる。4年半前に自宅から大学に持ち込んで毎日使っているものであるが、現在のものは2代目である。初代は数か月前にコードが切れたのか電源が入らなくなり処分した。この2代目に変わったころから、コーヒーではなく番茶を入れるのに使うようになった。コーヒーの粉を入れる円錐の容器に番茶の茶葉を入れるのである。これがまた美味しい。初めてお茶が美味しいと感じたほどである。まさに「番茶も出花」である。たっぷりの茶葉でたった1杯のお茶を飲む。それで午前中の疲れが取れ、午後の頑張りの素になるなんて信じられない。
ここまで来て、自虐的過ぎるのではないかと少し気になってきた。挽きたて、淹れたて、揚げたて、そして番茶も出花である。若い方が良いに決まっている。年季の入った、気の抜けた、出がらしの年寄りはお呼びではない。そう。我々も過去に培ったものばかりに囚われず、挽きたて、淹れたてを目指すべきなのだ。それが無理ならば、若い人に活躍の場を提供すべきだ。でも私はまだ挽きたて、淹れたてを目指す。来年の抱負はそれにしよう。
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所長:石田厚子 技術士(情報工学部門)博士(工学)
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挽きたて淹れたて番茶も出花
2018.12.30