我が家で急激に増えているものがある。人の動きを検知して灯りが点くセンサーライトである。思い起こせば、何年かおきにマイブーム的に購入、設置してきた。それが邪魔で鬱陶しくなったり、年月を経て壊れたりしてだんだん使われなくなる。そして、また必要性を感じて購入、設置するということになる。
センサーライトの目的は屋外と屋内で異なる。屋外は防犯のためである。3か所に設置しているが、設置場所には工夫こらしている。ちゃんと反応することを確かめることも必須である。最近は、用事もないのに暗くなると側を通って、「よしよし、頑張ってるね」などと話しかけている。自動的に動くものは何故か生き物のように見えて来るから不思議である。
屋内に設置するのは省エネのためである。無駄に電気は使いたくないので、人が通るときだけ灯りが付いて欲しいのである。しかし、玄関から廊下を照らしてくれるセンサーライトがなかなか思うような反応をしてくれない。私の望みは次のようなものである。@玄関を開けたらパッと点いて、廊下(そんなに長くない)を通り抜けるまで点いていて欲しい。A廊下を歩き始めて玄関に向かう途中で点いて欲しい。ところが、@はほぼ完ぺきだが、時々、玄関を開けてもしばらく考え込んでから点くことがある。私を人間と思っていないのだろうか。Aは気まぐれである。歩き始めてすぐ点いてくれることもあるし、玄関に到着してから点くこともある。「ちゃんと見てなさいよ」とつい言ってしまう。
実はもっと問題なのは、私が居ないのに点くことである。正確に言うと、「私が廊下に出た時には無視していながら、廊下を出て部屋に入ったとたんに点く」ということである。全く「居眠りしてないでちゃんと働きなさいよ」と言いたくなる。なぜこんなことが起きるのか考えてみた。要するに、センサーが「私の動き」をいつキャッチするかに因っているのだろう。特に家の中は他の灯りが漏れていて明暗が不明確なことがある。だから私が廊下に入ったとき「動き」が感じられなければ反応しないことになる。廊下から出るときは動きとして認識しやすいのだろう。でもそれでは遅すぎる。
ということで、最近は、センサーの目を盗んで廊下を通り抜けてトイレに入れるか、うまく洗面所まで行けるか、などという遊びをしている。うまくすり抜けたぞ、と思ったら誰もいないのにパッと電気が点いて「電気代がもったいないじゃないか」とセンサーを叱りつけたりして、単純な機械なのに結構楽しくコミュニケーションが取れる。家庭用のロボットなどは現在の私には必要ないかもしれない。
「家庭用のロボットが深夜に誰もいないのにあらぬ方に向かって何かつぶやいているのが怖い」という話をネットで見かけたが、その気持ちはよく分かる。誰もいないのに電灯がパッと点いたらやはり怖い。幸いなことに、そこまで不思議な現象は見えていないので、しかりつけるだけで済んでいる。そう言えば、動きのおかしくなった古いテレビを叱りつけたり(時々叩く)、風呂場の乾燥機にお礼を言ったり、と機械を生き物のように思うことはよくあった。これからはもっともっと多くなることだろう。ちょっとワクワクする。
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所長:石田厚子 技術士(情報工学部門)博士(工学)
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センサーはどこを見ているのか
2018.11.18